<大手パチスロ>株主総会の受付で創業者会長が“押し問答”

 パチスロ機メーカー最大手、ユニバーサルエンターテインメントジャスダック上場)の定時株主総会が6月29日、東京都港区台場のホテルで開かれた。株主総会では、オーナー創業者であり、会長として同社の実権を握っていた岡田和生氏(74)が、取締役から外される議案の採決が予定されていた。総会開始前に、株主として入場しようとした岡田氏と会社側が押し問答をし、入場を拒否される事態となった。【毎日新聞経済プレミア】

 株主総会は午前10時から予定され、その30分ほど前に岡田会長が受付に姿を現した。入場を拒否する会社側と、約30分にわたり、受付脇で押し問答となった。岡田氏は、約20億円の不正な資金貸し付けの疑いがあるとして、会社側から会長としての業務執行を停止されている。さらに、同社の筆頭株主であるオカダ・ホールディングスの取締役を5月に解任されている。

 岡田氏はユニバーサル社の株式1株を保有する会社の代表として入場すると主張。一方、ユニバーサル社側は「株式保有を確認できない」と繰り返した。株主総会は予定どおり開催され、岡田氏を取締役から外す人事案を賛成多数で可決して終了した。

 ◇株主総会の会場に入場できず

 岡田氏は入場を拒否された後、取材に来ていたメディアの質問に答えた。岡田氏は、ユニバーサル社の株主総会で、自身が担当してきたフィリピンでのカジノリゾート開発について、「自分を外して運営できるのか」と主張する予定だったという。

 また、不正貸し付け疑惑については、フィリピンのカジノの招待客を増やす業務のための貸し付けだと主張し、「私自身はこの貸し付けを正当なものとして承認した。会社で正しい手続きをとったかどうかは、会社側の問題だ。社長の責任ではないか」と述べた。

 ユニバーサル社は疑惑調査のため、特別調査委員会を設置している。岡田氏は「まだ委員会から何の話もきていない。調査があれば、すべて答える」と説明している。

 一方、会社側は「取材はすべて当社ホームページのお問い合わせ窓口のメールフォームで受け付けます。本日中の折り返しは難しいです」と代表電話交換で答えた。

 一方、関係者によると、会社側は岡田氏が主張している株式1株を保有する会社が存在していない、と説明している。この日の株主総会で会社側は、特別調査委員会を設置していることを改めて説明し、ガバナンス、コンプライアンスに関わる問題は、すべて調査すると述べたという。

 ◇「長男と話をしたい」と岡田氏

 岡田氏は1969年に同社の前身を創業し、パチンコ・パチスロ機の製造販売を行い一代で同社を築いた「ワンマン経営者」で、創業以来48年間にわたり、同社の最高権力者だった。

 ユニバーサル社側は6月8日、岡田氏と取締役1人が2年前に適正な社内決裁なしに第三者に約20億円を貸し付け、不正な行為が行われた疑いがあると発表。岡田氏と取締役1人の業務執行権限を停止し、社外の弁護士3人で構成する特別調査委員会を設置した。定時株主総会で、岡田氏ら2人を取締役から外す議案を公表していた。

 ユニバーサル社の議決権67.9%を保有するオカダ・ホールディングスは、岡田氏が香港に設立した同族企業だ。岡田氏が46.38%、長男の知裕氏が43.48%、長女の裕実氏が9.78%を保有している。岡田氏1人が取締役となり実権を握っていたが、5月12日に、知裕氏と裕実氏が岡田氏を取締役から解任したという。

 岡田氏は、この日の取材に対し、オカダ・ホールディングスの取締役を解任されたことは5月18日になって初めて知ったと述べた。知裕氏とこの問題で話をしていないため、早急に話をし、場合によっては訴訟になってでもオカダ・ホールディングスの実権を取り戻したいと話した。